相続

賃貸借の物件化

賃借権の物権化

「不動産賃借権が物権化したので、いくらに換算したらよいですか」という質問を受けることがありますので、書いてみました。大抵は相続関係・遺産分割の相談です。
どういう状況でこの質問が出てきたかはプライバシーの問題がありますので書きません。
「この賃借権をいくらに換算しようか」と思った人は、以下、お読みください。

物権とは

物権とは、「ある物」が自分のものだと主張できることです。(法律の本を読む人は専門書を見てください。)自分の物に手を出す人がいれば、それが誰であろうと文句が言えるのが原則です。何の契約もいりません。

不動産の場合には、所有者が誰なのかということを登記しておくことができますから、登記簿に書かれている人が所有者だと思うのが普通ですが、物品の場合には、そういう制度がありません。そこで、「その物を受け取って持っている人が所有者だろう」ということにしています。

その結果、ある土地へ案内され、「この土地は私のものなので、今、即金で買ってくれるなら安くするよ。」といわれても、本当にその人が所有者かどうか登記簿を調べてみますが、「この時計は200万円するんだけど、今、即金で買ってくれるなら100万円でいいよ。」といわれたなら、買ってもよいかもしれません。

賃貸マンションなら

賃貸マンションに入居するとしても、自分が持ち主・所有者になるわけではありません。所有者が賃貸し、入居者が賃借するだけです。

入居者は、所有者に「私はお金を払っているのだから、ここに住むよ。」と言えます。所有者は、賃貸借契約があるのだから、住めるようにして貸さなければなりません。
では、入居者がいるのに、所有者が誰かにそのマンションを売ってしまった場合どうなるでしょうか。

所有者は自分の不動産を売ることができます。買った人は、物権を持っているので、自分の物をさらに転売するとか壊すとか、自由にできるはずです。

賃借人は、元の所有者に、「マンションに住む」という契約がありますよね。」とはいえますが、元所有者は、もう自分のマンションではなくなってしまったので、どうしようもありません。原則としては、そうなります。

不動産賃貸借の例外

時計を売るとか買うとか、貸すとか借りるとかという問題なら、トラブルにはなっても生死にかかわるようなものではないでしょう。

しかし、住んでいるところを出て行くとなると、場合によっては人生が台無しとか、冬の寒空に凍死してしまうかもしれません。だから特別に保護することにしました。それが立法というもので、「何がどうなろうと法は法」「法を知っている者の勝ち」という考え方は普通はしないものです。

そこで、不動産賃貸借は「登記すれば、所有権という物権を持つ人にも対抗できる。」としました。対抗とは、自分の権利を主張できるというような意味です。
ただ、所有者にとって、この登記はあまりメリットはありませんので、普通は登記したがりません。

そこで、土地(借地)の場合には、その土地にある建物が自分のものであると登記すれば借地権を対抗できるし、建物(借家)は引渡しを受ければ(鍵を渡されたりすれば)借家権を対抗できることにしました。
こうなると、不動産賃借権が物権と似た権利となるので、「不動産賃借権の物権化」と言われます。

物の売買の場合には、「その物の価格はいくらなのか」という計算ができますが、「不動産賃借権の物権化」の場合には、「この賃借権はいくらなのか」という計算をすることに意味があるのかないのか・・・。
相続ではいろいろな問題がでてきます。

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