銀行で戸籍を集めてくださいと言われたら
金融機関に預貯金口座を持っている人が死亡なさったことを銀行が知ってからは、預けたお金などを簡単には引き出したり解約したりできません。
まず相続人が誰なのかを特定します。自分の知らない兄弟姉妹がいることもあります。いずれにしても金融機関に対して誰が相続人なのか証明しなければなりません。
金融機関で、「戸籍集めをしてください」「戸籍謄本取寄せをしてください」というようなことを言われたら、要するに「法定相続人を特定する資料を集めてください」ということです。
預貯金の相続
相続が開始して、誰が預貯金を相続するのか、まったく問題ない場合は、専門家に相続手続きを依頼せずに、自分でなさる方もおられます。
遺産相続が預貯金だけの場合と、不動産などもある場合があります。相続財産の中に不動産があると、銀行に提出する戸籍謄本等を集めただけでは相続手続きは終わりません。
不動産があってもなくても遺産分割協議は必要です。
金融機関での手続き
注意点は、金融機関によって手続きがかなり異なるということです。亡くなった方はいくつかの銀行に口座をお持ちだっただろうと思います。A銀行でしたのと同様にB銀行でもすればよいと思ってしまいますが、なかなかそうはいきません。
金融機関は、相続人でない人に預貯金をわたしてしまったり、遺産分割協議が整っていないのに誰かに渡してしまって、その後の相続争いに巻き込まれないよう注意していますから、法定の書類の他に、その銀行特有の書類を用意していることがあります。(2013年8月27日現在)
戸籍集めは意外に難しいことがあります
とにかく亡くなった方の出生から死亡までの戸籍はすべて揃えなければなりません。本籍を置いていたことのある役所から取り寄せます。取り寄せる戸籍謄本の書類は、ひとつの役所に1通とはかぎりませんからご注意ください。
普段から交流のある人なら、本人に戸籍や住民票を持ってきてもらえばよいのですが、相続人が分からない場合もあり、戸籍謄本(戸籍集め・戸籍収集・戸籍調査)で、相続人の生死や住所を調べます。相続人が死亡なさっていると代襲相続となる場合があります。
遺産分割協議
戸籍を集めたら、前の婚姻のときの子(たとえば先妻の子、前妻の子など)がいることがわかったけれども、交流がないし、葬式にも呼んでいないくらいなので、遺産分割協議といわれてもどのように協議したらいいのかわからない、ということもよくあります。
数十年ぶりに会うとか、初対面ですと、相続財産の分割についての話はしづらいことと思います。どのように話してよいかわからないから、遺産分割協議を調えてほしいというご依頼もよくいただきます。
戸籍収集と相続説明図
戸籍謄本取寄せは、金融機関ではやってくれません。意外と手間のかかることです。すべて集めれば、その書類を金融機関に持っていくだけで済む場合もありますし、相続関係説明図・相続説明図も作る場合もあります。
必要な戸籍謄本・除籍謄本等をすべて銀行へ持っていっても時間がかかったりしますので、依頼いただければ戸籍取寄せから提出までお世話させていただくこともできます。
【預貯金】のページもあります。