遺言書

古い遺言書は無効か

古い遺言書

「古い遺言書」とは遺言書が2通以上ある場合の古い方という意味です。
遺言書が2通以上あることがあります。書いたことを忘れたのかもしれませんし、紛失したと思ってもう一度書いたかもしれません。気が変わって、もう一度書き直したのかもしれません。

甲の子である乙は、甲(つまり親)から、乙に有利な遺言書を書いてもらいました。
甲の相続開始後、同じく法定相続人である丙が、「自分は甲に遺言書を書いてもらって持っている。」と言います。

乙も、丙も「自分に有利な遺言書を持っている。」と思っているとします。

そこで、その遺言書の作成年月日を調べると、乙のものは昭和60年5月1日でした。
丙の持っている遺言書の日付は昭和61年5月1日です。

丙は、安心しました。自分の持っている遺言書のほうが新しいので、乙の持っている遺言書は無効、丙の持っている遺言書が有効だと思ったからです。

実際はどうかというと、新しい遺言書と古い遺言書の中で、矛盾している点があれば、新しい記述が優先するのであって、古い日付の遺言書の内容がすべて無効になるわけではありません。

たとえば、
古い遺言書の内容
「乙に 不動産 A B C をあげる」

新しい遺言書の内容
「丙に 不動産 C D をあげる」

ということなら、C は乙ではなく丙にあげることになりますが、AB については、古い遺言書のまま有効です。

丙さんのような立場の人が、「CD は自分のもので、AB については、何も指定がないのと同じことだから、乙と丙が法定相続分どおりに相続する」と思ってしまうことがあります。

日付の異なる複数の遺言書があるという例はあまり多くないと思います。それよりも困るのは、

  • 著しく不公平な遺言書がある
  • その遺言書を作成した頃は、既に判断能力がなかったと思われる
  • 本人が書いたとは思えない筆跡の遺言書がある

という場合でしょう。

 

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