相続分

相続割合

遺産相続はまず遺言にしたがう

遺産相続遺産分割は、まず亡くなった人の遺言書があれば、その遺言書に従うことになっています。
ただし、相続人全員の合意があれば、ほとんどの場合、遺言書の内容とは異なる相続の仕方ができます。

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遺言書がなければ遺産分割協議

多くの人が遺言書を書きのこしていないので、離婚経験があるとか、認知した子がいるという場合に、相続開始後、遺産分割協議相続人たちが遠慮し合って何からどう話してよいのか困ってしまうことがあります。

財産を遺すのなら、同時に遺言書も遺していただきたいものです。とにかく相続人たちは遺産分割協議をします。どうしてよいかわからないと、法定相続割合を参考にするようですが、本当に平等に分割できるかというと、それは難しいのです。遺産分割協議で誰かが提案した内容が不適切だと、他の人も黙っているわけにはいかなくなります。

公平に分けるとはどういうことか

法定相続分という目安はありますが、相続財産には不動産(農地・山林・宅地・賃貸マンション・実家など)、動産(自動車・貴金属・書画・骨董など)、債権、現金などがあります。

たいていの場合、これらを客観的に評価して公平に分けるかもしれませんが、家を継ぐのが誰かなど、相続人の考えによってさまざまでしょう。

遺産分割にあたっては、単に相続財産を均等に分けるのではなく、相続人の「個性」を考慮して分けることになっています。個性とは、相続人の年齢、職業、収入、家族構成、健康状態などすべてです。
法的にみて公平に分けることさえ難しいのに、受け取る側の事情も考慮して、全員が満足するようにというのは、一層困難です。

相続の対象として遺産をみた場合の評価と、もし、現実に売却した場合の価格はかなり違いますから、相続人の考え方次第で遺産の分け方も変わるでしょう。

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遺産分割協議が不調なら

遺産分割協議がまとまらなければ、次の段階として、家庭裁判所に決めてもらいにいきます。
「客観的になるべく等分に」そして「相続人の個性を考慮して」決めることになりますが、相続人自身による遺産分割協議と同様に難しいでしょう。法定相続分に近くなってしまうのではないでしょうか。
不満があっても結局は無理矢理に決められてしまうので、相続人全員が満足するとは限りません。たいていは不満が残りますが、裁判所が決めたとなればあきらめがつくでしょう。ですからその後、相続人たちが仲良く暮らせるかどうかはわかりません。

目安としての法定相続分

財産目録が作成され、客観的な価値が定まったと仮定しましょう。そして、相続人の人数で均等に分けるのが法定相続分による分け方です。現実には、不動産や株券等があって、本当に平等かどうか判断するのは難しいので、要するに目安でしかありません。

もし、本当に平等に分けるのなら、遺産のすべてを売却して現金化することです。これを法定相続分にしたがって分けるのがもっとも公平でしょうが、総合的にみると損をする(他にもっとオトクな方法がある)かもしれません。

配偶者の法定相続割合

法定相続割合で、

  • まず第一に考慮されるのが配偶者です。子供たちがいる場合は、配偶者が2分の1、子供たち全体で2分の1です。
  • 子供がいなければ、配偶者が3分の2、親の世代へ3分の1です。子供がいる場合よりも配偶者の相続割合が増えます。
  • 子供も親もいなければ、配偶者が4分の3、兄弟姉妹全体へ4分の1です。上のふたつの場合よりもさらに配偶者の割合が増えます。

古い時代よりも、現在の法律では配偶者の相続分が増えています。配偶者といっても、実際には「妻」の地位を高くするというのがもともとの国の方針でしょう。また、いろいろな場面で、国の方針と一般国民の意識に違いがある場合もあるようです。

相続税の控除や特例

配偶者の法定相続分は2分の1ですが、配偶者に相続税がかかるとしてもかなりの税額軽減があります。

配偶者であれば、被相続人の亡くなる前日に配偶者になった人でも何の支障もありません。その結果、相続人の間で問題が生じることがあります。

両親の一方が亡くなった場合

両親の一方だけが亡くなった場合、法的には当然、たとえば「配偶者と子供たち」に相続権がありますが、お母さんが亡くなったからといって、「お母さんの財産を分けましょう。」とお父さんに言い出しにくいのではないでしょうか。
「お父さんの財産の半分くらいはお母さんのもので、お母さんが亡くなったから、遺産分割をしましょう。所有者名義はともかく、お父さんの持っている財産の半分くらいは実質的にお母さんのものですから相続分をください。」とは言い出しにくいようです。
しかし、両親の一方が亡くなったときに遺産分割協議をしなかったために、後日、問題が発生することがあるようです。その問題が具体的にはどのようなものかは本当にさまざまです。【親に言えない】をご参照ください。

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共に暮らす人

相続財産は共に暮らしていた人にたくさん分ける傾向が強いようです。それは妻であり、子であり、年老いた親かもしれません。ある人が死亡して、今まであった不動産などがいきなりなくなれば、共に暮らしていた人は特に困惑するでしょう。

また、戸籍上の妻でなくても、内縁の妻はなるべく戸籍上の妻と同じような立場にしようという傾向はあるようですが、夫婦・親子・家族を特別に絆の強い「単位」「まとまり」とみる考え方も強いですから、まったく同じにはなっていません。

具体的にはもっと複雑な規定がありますし、特殊事情もあるでしょうが、法定相続人の権利義務を知らなかったばかりに大きな不利益を被らないようお気を付けください。

内縁の妻(夫)、共に暮らしていない子、認知した子などがいる場合、遺言書があると、遺された身近な人はとても助かります。思い当たる点があれば、早く専門家に相談することをお勧めします。

半血とは

「半血」とは自分の父または母の一方だけが同じ兄弟姉妹のことです。法定相続分では、半血の兄弟姉妹は相続分が半分とされています。

たとえば、
甲さんが死亡して
甲さんには子がなく
甲さんの両親も他界しています。
甲さんには両親を同じくする弟のAさんがいます。

甲さんのお父さん(あるいはお母さん)は甲さんとAさんを生んだ後、再婚しました。
再婚相手との間にBさんとCさんが誕生しました。

甲さんに子がなく、両親も他界していますから、兄弟姉妹が相続人です。
甲とA・B・Cは全員兄弟姉妹ですが、甲とAは両親が同じで、BCは片親のみが同じです。
このとき、B・Cの法定相続分は、Aさんの半分となります。

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婚外子相続

以下の場合も「相続分が2分の1」の法定相続分に当てはまります。

たとえば、
甲さんには妹である乙さんがいて、
甲・乙の父はAさん、母はBさんとします。
Aさんは妻でないCさんとの間に、丙という子がいます。
AとCは入籍もしておらず、婚姻届出がないという点では他人です。何も手続きをしなければAと丙も他人です。

そこで、Aは丙を認知しました。
丙はAの婚外子です。非嫡出子ともいいます。
父であるAが死亡しました。
Aの法定相続人と、各相続人相続分はどうなるでしょうか。

まず、Aの妻は2分の1です。
残りの2分の1を子どもたちで分けます。
丙は婚外子なので、昔は甲・乙の半分の相続割合となりましたが、平成25年12月11日以降は均等です。

亡くなった人からみて、子であることに変わりはないので、相続分も変わらないことにしたようですが、この場合、子供たちの間で、家族・兄弟姉妹という意識が薄いことも考えられます。確かに「子は子」なのですが、その後の家庭生活が異なるので、被相続人との生活の密度が異なるでしょう。

「親からすれば、子供たちは皆等しくかわいいものである。」という人もいますが、そうでないケースも少なくありません。可愛い子とそうでない子、気の合うこと合わない子、いろいろな事情で将来の生活を心配してあげたくなる子と自立して生活できる子など、違いがあることも多いです。

場合によっては相続(遺産分割協議)の際に、子供たちの間で「わだかまり」があるかもしれませんので、たとえば遺言書で、なるべくそのための手当(相続がうまくいくような対策)をしておくとよいでしょう。

ですから遺言書は、法的なことを淡々と記せばよいのではなく、遺言者の心遣いが伝わるものにするとよいと思います。そのために、手紙のような、自叙伝のような自筆証書遺言の作成をお手伝いします。

配偶者と兄弟姉妹の相続分の重複

相続分の重複」というより「相続資格の重複」とお考えください。
相続資格とは、被相続人の「配偶者」とか「子」とか「父母」「兄弟姉妹」というようなことです。

兄弟姉妹同士で婚姻はできません。婚姻障害のひとつです。
しかし、養子に行った先の子(法律上は兄弟姉妹)と結婚することができます。

たとえば甲山一郎さんという人がいるとします。
甲山一郎さんには、兄がふたりいますが、親も既に死亡し、配偶者も子もいません。
甲山一郎さんは、株取引の才能があり、若くして莫大な財産を持っているとします。

甲山一郎さんは、乙山太郎さんという先輩を尊敬しています。
また、乙山太郎さんも甲山一郎さんを我が子のようにかわいがっています。
乙山太郎さんは、甲山一郎さんが自分の家を継いでくれるとよいと思っています。

甲山一郎さんが、乙山太郎さんの養子になったとします。
この時点で、甲山一郎さんは、乙山一郎さんとなります。

乙山太郎さんには乙山花子さんという娘がいます。
太郎さんと花子さんはきょうだいですが、自然血族ではなく法定血族なので、婚姻するのに問題はありません。

一郎さんと花子さんは結婚し、乙山太郎さんは死亡しました。

しかしまもなく一郎さんも死亡しました。
そうすると、花子さんは一郎さんの遺産の何割を相続するでしょうか。

遺産分割協議をしてみんなで決めればよいのですが、法定相続分はいくらでしょうか。
「法定相続分を算出して、それに修正を加えるものだ」と考える人もいますが、必ずしもそのようなことは必要ありません。遺言書がないとすれば、共同相続人が遺産分割協議で決めればよいのです。

配偶者が死亡した場合の、残された配偶者の法定相続分をもう一度書きますが、

  • 子がいれば2分の1、
  • 子がおらずに被相続人の親や祖父母がいれば3分の2、
  • 子も父母・祖父母もいないけれども兄弟姉妹がいるなら4分の3

が、法定相続分です。
花子さんは、妻でもあり、きょうだいでもあります。法定相続分は、

  • 1,「妻としての相続分だけ」
  • 2,「きょうだいとしての相続分だけ」
  • 3,「妻としての相続分」プラス「きょうだいとしての相続分」

という3とおりが考えられるでしょう。
民法の条文を見ただけではよくわかりませんが、
『1,妻としての相続分だけ』
が法定相続分とするのが実務上の扱いとされています。

何か特別な事情があれば、訴訟をしてみると異なる結果が出るかもしれません。

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実子と養子の相続分の重複

稀な例だとは思いますが、自分の嫡出子がいるのに、なお、自分の孫を養子としている場合があります。
家族・親族みんなで合意・納得しているならよいのですが、そうでないと何かと遺産分割で問題が生じそうな予感がします。

法的手続きは、ある程度の知識を仕入れれば意外と簡単なことが多いです。しかし、手続きをしてしまってから、思わぬ方向に進んでしまったことに気づくかもしれません。取り返しのつかないことがあります。
そういう意味で、専門家に相談しておくことは重要だと思います。

甲山A子さんには、実子であり嫡出子である「B子」及び「C子」と、嫡出子ではあるが養子の「D子」がいるとします。
その「D子」は「B子」の子(つまり「A子」の孫)なのです。

しかし、「B子」は「D子」が「A子」の養子になった後で、事故で死亡しました。
そして「A子」が死亡し、相続が開始しました。

遺産分割を法定相続分どおりにするとすれば、「D子」の相続分が難しいです。
「B子」「C子」「D子」は子ですから、3名とも等しく相続分があります。
「B子」は死亡していますから、「B子」の子が代襲相続します。「B子」の子は「D子」です。

そうすると「D子」は、「B子」を代襲して相続分を有し、また、「A子」の子としても相続分を有するのでしょうか。そうだとすると、「D子」は姉妹である「C子」よりも、法定相続分が多いことになります。不公平ではないでしょうか。

不公平かどうかここでは言及できませんが、「D子」は「C子」よりも相続分が多くなる(つまり、相続人としてふたつの資格を同時に有することになります。

これが現在の実務上の扱いです。何か特別な事情があれば、訴訟をしてみると異なる結果が出るかもしれません。

それは遺産相続の参考にしようとお考えになる前に、とりあえず一般的には、遺言書を作成することをお勧めします。

事情をうかがってみると、上の実務が最善であるということになるかもしれません。
相続は100件あれば、100とおりのやり方があるでしょう。

遺言書を書きましょう

遺言書と聞いて、誰でも思いつくのは「自筆証書遺言」でしょう。
他には、秘密証書遺言公正証書遺言があります。

  • 自筆証書遺言はほとんど無料で、いつでも一人で書けますが、注意しないと無効であったり、内容によっては相続が開始する前から推定相続人(現時点で相続が開始したら相続人となるであろう人)の間で争いが生じることがあります。
  • どんな財産があるのか、遺言書ではそれをどうしたいと記すのか、法律上、相続する資格のある人は誰なのか等を確定しなければなりません。それにはさまざまな公的書類が必要です。場合によっては相続税も考慮します。
  • 相続する人たちの意見が一致すればほとんど意に沿ったとおりにできます。しかしほんのささいな行き違いから争いになることがあります。亡くなった方が誰かを他の子よりもかわいがっていたり、何かの事情で他の子よりもお金をかけていたかもしれません。金額よりも感情・愛情の問題となることがあります。子孫のことを考えるなら、その点も十分考慮なさってください。
  • 相続では「山分け」にできない財産がたくさんありますので、財産の目録のようなものを大雑把にそろえることをお勧めします。動産などは、自分が大切にしていたものが実は市場では安くて、どうでもよいと思っていたものが高価なこともあるようです。主観で、「これは誰にあげる」と書いても、相続人たちは納得できなきかもしれません。客観的資料はなるべく第三者が揃えた方がよいでしょう。

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