遺産分割

遺産分割協議書

遺産分割協議書とは

相続人の財産の分け方について、相続人全員で話し合いをして、その結果をまとめたものが遺産分割協議書です。文書自体は簡単に作成しようと思えばできないことはありません。問題は、全員が納得できる内容かどうかです。遺産分割の内容が決まれば、遺産分割協議書作成は書式にしたがって作成できます。

 

行政書士が遺産分割協議書の作成とか、遺産分割協議への立会いを依頼されたときには、遺産分割協議書を作るものだと思っていますが、銀行などの金融機関では
遺産分割協議書はいりませんが、当銀行所定の用紙に、相続人の署名押印が必要」
というような説明をすることがあるので、誤解が生じるかもしれません。

銀行が要求するのは、相続人全員が合意したという意味での署名押印ですが、この署名押印のためには、遺産分割協議という相談をしているはずなのです。
遺産分割協議書」というタイトルの書面は不要な場合もありますが、銀行所定の用紙が遺産分割協議書ということになります。ちなみに、遺産分割協議書は内容が矛盾していなければ形式の違うものが何種類あろうと構いません。場合によっては、「預貯金について」「動産(物品)について」「不動産について」というように3種の遺産分割協議書を作ることもあります。

遺産分割協議書 川崎 東横線

遺産分割協議書の作成を誰に依頼するか

遺産分割協議書に限らず、未成年者や被後見人(昔の禁治産者のような人)でなければ、契約や財産処分などの法律行為を自分でできます。むしろ、自分でするのが原則で、自分の手に負えない場合とか、忙しくて時間がない場合などに人に依頼します。

簡単に言いますと、業務上、遺産分割協議書を引き受けてよいのは行政書士と弁護士です。ケースによって、行政書士・弁護士以外でも作成できることがありますから、まずは具体的にご相談ください。

遺産分割協議書は公証役場で作った方がよいか

公証役場で行をしているのが公証人で、「公正証書遺言」を作ってもらうことがあります。公証役場で作成すると、証人が立ち会ったり、作成した書面の控えを公証役場で保管しますから、書面の改ざんなどが避けられると思います。

しかし、公証人の前で遺産分割協議をして、それを遺産分割協議書にしてもらうのではなく、遺産分割協議の内容が決定してから公証役場へ行くことが一般的です。遺産分割の内容はメモでもいいでしょう。

遺産分割の内容が決まったなら、それを書面にして相続人全員が署名押印すれば遺産分割協議書です。遺言書のように、書き終えてから何年もどこかで保管するものではなく、数日・数週間以内に使用するでしょうから、改ざん等の心配も通常はしていません。むしろ「遺産分割協議で決めることはどのような事項か」の方が重要です。ケースによりますので、ご相談ください。

遺産分割協議書の分量は

遺産分割協議書を作るのにいくらかかるのかというお問い合せは多いのです。しかし、相続人が「どこに」「何人いるのか」「その他の事情」等々によって違ってきますが、遺産分割協議書の分量だけではありません。

お亡くなりになった人の法定相続人を特定する作業から始まり、生まれてから現在までの戸籍を収集します。各地の役所から郵便で取り寄せますので、引っ越しの多い人(何度も本籍を変更している人)がいると、この作業に時間と実費と手数料が必要になります。
また古い戸籍は古い法律に基づいて作成されていますから、戸籍から情報を読み取ることが難しいことがあります。

 

また、法的な争いがなくても、遺産分割協議中に「わがままな人がいる」「途中で気が変わる人がいる」と協議は難航します。その場合、業務手数料(報酬)がかさむことがあります。相続の説明をしたり、書面を書き換えたりするのに時間がかかるからです。

相続による名義変更

うちの親はたいした資産家ではなかったから、相続の問題など起きないと考えておられる方は多いです。しかし、不動産や預金の名義書換などはどうしてもしなければなりません。相続税の多寡とは関係ないのです。

相続では土地建物があることが多いので、名義変更が必要です。簡単なものは自分でもできますが、間違えると税金面で優遇措置を受けられないことがあります。場合によっては、税理士や司法書士とも連携して手続きを進めます。

預貯金は金融機関との折衝が必要なことがあります。また、タンス預金ではいくらあってどのように使われたかがわかりにくいのでトラブルの元になりがちです。

  • 電話・電気・ガス・水道料金等は、各営業所窓口です。行政書士にご相談いただいても結構です。
  • 株・ゴルフ会員権等も行政書士にご相談いただけます。
  • 特許や知的財産権をもっている場合には、行政書士ができる場合が多々あります。具体的にご相談ください。

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遺産分割協議書と実印

重要な書面に押印するときでも「実印を使わなければならない」とは限りません。どうでもよい場合と、実印でなければならない場合があります。遺産分割協議書には実印を用います。

印鑑・ハンコについては【ハンコのことなど】をご参照ください。

相続人が外国に移住している

遺産分割協議書には法定相続人全員の署名と実印での押印が必要となります。実印は印鑑証明書とセットにしてこそ価値があります。

相続人の誰かが日本での住民登録を抹消し、外国に居住していると印鑑証明書が揃えられません。

その場合、遺産分割協議書と本人の身分証明書を持って大使館へ行ってもらい、大使館員の面前で署名することによって印鑑証明書を添付したのと同様の効果が得られるようです。

ただし、世界中でこの方法が使えるかどうかはわかりませんから、あらかじめ問い合せるとよいでしょう。

話合いはできる状態ですか

さて、ある病院の会計で、係の人があるご老人に「保険証をお持ちでしたら見せてください。」と話していました。そのご老人は見せていましたが、「私は正直にずっと保険料を払っているんだ。どうして文句を言うんだ。」と怒っています。

係の人は、「苦情を言っているのではなくて、新しい保険証が来ていると、3割負担から1割負担になっている人も多いので、念のため見せてもらったんですよ。その方が料金がお得ですよ。」と説明するのですが、そのご老人は、さらに文句を言われたと勘違いして一層ヒートアップ。

よくある光景ですが、親がかなりの高齢で亡くなり、相続人もかなりの高齢となると、遺産分割協議などで上の例のように、まったく言っていることが行き違って混乱することがあります。ご老人の中には認知症とまではいかないけれども、理解力・判断力に問題のある方がかなりおられます。

理解力が落ちているとしても、穏やかに、朗らかに年をとられる人もいますが、そういう人は比較的少なく、イライラしている人が多いようです。このご老人も係の人から何か言われるたびに、「文句を言われた」と感じるようです。

家族、親族だけで集合して協議をすると、遠慮がないだけにこのようになりやすいといえます。
また、一般常識からはずれた判断をする人が相続人の中にいると、上記と同様、揉める原因がなく、法律上の争いもないのに、話し合いが難航するでしょう。

そういう心配がある方は、初めから専門家に「丸投げ」するほうがよいかもしれません。もっとも専門家に丸投げすると、相続手続きがすべてスムーズに進むわけではありません。相続人にいろいろな説明をするのに工夫も時間も必要です。