相続遺言書

遺言の付言事項

親の器量?

ケースによりますが、相続で揉めないようにするのは「親の器量」だという説があります。親がきちんとしてれば、相続問題は起きない、遺産分割協議で紛糾することはなくなる、という考え方です。(「器量」という言葉を最近は聞かなくなったような気がしますが、「あることをするのにふさわしい能力、人徳」というほどの意味です。)

自分の財産を自分が生前にいくら使うか、遺産として誰にどれだけ残したいのか、というのは、年をとってからですと判断が難しいかもしれません。

年をとってから、遊興費に大金を使うことはあまりないかもしれません。遺産を遺す人、遺言書を遺す人は、老後の医療費や入院費に充てようとして、お金を残しておくかもしれません。使いきってしまえばそれまでですが、残った分は相続財産となります。

その相続財産をもらう方は、相続人同士で公平にもらいたいと思うでしょう。その「公平さ」とは、財産自体よりも、「親の愛情の象徴」として遺産を考えていることがあります。
そこで、財産の分け方が公平で、相続人に等しく愛情を注いでいたことがわかると、相続人は安心できます。

川崎市 遺言 公平

遺言の付言事項

遺産相続では、通常、完全に平等に配分することはできません。そこで、遺言では、誰が何を相続するかという額や相続割合を決める前に、そのように分ける理由がはっきりしていることが大切です。遺言書に任意に付け加える「あとがき」のようなもを遺言の付言事項といいますが、私は遺言書にこの付言事項はぜひ必要だと思います。極端に言うと、遺言書の書き方で最も重要なのは付言事項かもしれません。

付言事項は長くてもよいので、じっくりと書くことをお勧めします。小説や自叙伝のように長くても構いません。

長く書くうちには、少々、つじつまの合わないことを書くかもしれません。しかし、それでも心を込めた長い文章には説得力があるものです。相続人たちは、故人の心情・考えを察してくれることでしょう。遺言書への信頼性も非常に高まります。
いくらでも長い付言事項が書けるというのは、自筆証書遺言の大きなメリットです。

もっとも、それだけでなく遺言書を作成するにはさまざまな配慮が必要ですので、遺言書の内容をご自分で明確に決めた場合にも、一度は専門家に遺言書の形式だけでも確認してみるとよいでしょう。正式な遺言書としなくても、終活の一環としてもお勧めします。

特別受益】のページでも遺言・遺言の付言事項を紹介していますので、ご参照ください。

付言事項の具体例

  • 相続分を指定したならその理由
  • 葬式や法要の仕方を指示
  • 自分の角膜や臓器などを医学の進歩やそれらを必要とする人に与えるかどうか
  • 家業のあり方についての指示・希望
  • 家族・親族の付き合い・融和について

遺言の付言事項は不要

遺言書には付言事項が大切だと上に書きましたが、不要な場合もあります。

遺言書は自分の意思で自由に書くことができますが、年老いてから、相続人や・家族・親戚などと相談しながら遺言書を作成するケースがよくあります。その際に、「この遺言書の内容は、もう一生書き換えません。」と周囲の人と約束することもあります。もし遺言書の中にそのように書いても、その文言は無効で、新しい遺言書を何度でも書くことができます。これはどちらかというと相続で遺産分割協議などで問題が生じそうなケースでしょう。

遺言書を作成するときに、相続人(推定相続人)やお世話になった人とか、気にかけている親戚などの意見も聞いて、「・・・という内容の遺言書を作成しておくからね。」と知らせて、みんなが納得している場合があります。すでに相続や遺産分割の話し合いがまとまっていて、なごやかに相続できるなら、遺言の付言事項は不要です。

 

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カセットテープ・ビデオ・動画・DVDなどで

遺言書は方式が厳密です。方式に則っていないものは無効のこともあります。大切なものですので、偽造・変造を防ぐためといわれています。きちんと方式に則って作成できないようでは、内容にも不安があるかもしれません。しかし、付言事項として事情や心情を伝えるなら、カセットテープ・ビデオ・動画・DVDなどの方がすぐれているかもしれません。

ただし、ビデオ・動画・DVDなど新しいデジタル等の技術を使った方法では、10年後、20年後に正確に再生できるかどうかが心配です。現在のところ、書面が最も無難でしょう。
【ビデオや動画で遺言はできるのか】をご参照ください。

 

遺言書の偽造・改ざん・隠匿など

遺言書が誰かに加除・訂正・変更が加えられた場合、その改竄(改ざん)部分は遺言者の意思に基づくものではありませんから、当然に(法律で「当然に」というのは「自動的に」というような意味です)無効です。もし、改ざん前の遺言書の内容がわかるなら、改ざん前の遺言の実現に努めることになります。

相続に関する遺言書を、自分が不当に利益を得ることを目的として、偽造・変造したり、破棄・隠匿した者は、裁判等を経ることなく相続人の資格がありません。これは、相続人だけでなく、受遺者も同様で、遺贈を受けることができなくなります。

付言事項として、遺言の内容を説明しておくと、遺言書の偽造・改ざん等を防止する働きもあるかもしれません。もっとも、そのような心配をせずに済むようにしておくことが大切でしょう。