遺贈

特定遺贈

相続と遺贈

遺言は自分の考えを自由に遺すことができますが、何でも好き勝手に書けばよいものではありません。形式や内容については規定が厳密です。遺言を法的に有効で、自分や遺された人たちの幸福に資するものとするには、工夫が必要です。

遺産を誰かに譲る場合、遺言書にどう書くかですが、簡単に言いますと、

と記載しておけば、とりあえず普通です。いずれにしても、専門家にご相談いただいた方が無難です。

  • 遺言によって遺産を処分(分配など)する場合、相続人による遺産分割協議が不要です。
  • また、農地を譲る場合、相続人に対しては「農地法による許可」なしに譲ることができますが、特定の農地を遺贈するなら、農地法による許可を必要とするなど差異があります。
  • 借地や借家ですと、相続させる場合でしたら、賃貸人の承諾を得る必要はありませんが、遺贈する場合ですと、賃貸人の承諾が必要です。

このように、遺言書を書くときには、通常、知られていないような事項があります。遺言書の内容が不明確ですと、相続が開始してから、遺言書の内容をめぐって遺産分割協議が難航したり、裁判所の判断を仰ぐなど厄介なことになるかもしれません。無効になる遺言書も珍しくありません。

遺贈 遺言書 川崎

特定遺贈

亡くなった人が遺言で、自分の財産の一部もしくは全部を、相続人もしくは知人・友人などの第三者(まったく他人でも)に譲与することができます。
財産の一定割合を譲与するなら包括遺贈といい、処分する財産を指定するなら特定遺贈といいます。

特定遺贈は、自分の全財産の何割を譲るというのではなく、譲るものを指定します。たとえば、「川崎市中原区何町何番地の土地」とか、「私の預金から百万円」、「私が保有する甲株式会社の500株のうちの250株」というように指定します。これについては、【包括遺贈】もご参照ください。

 

受遺者の方が先に死亡すると

遺贈を受ける人を受遺者といいます。ごく単純に遺言を作成すると、受遺者がその遺言の効力が生じるときに生存していなければ、その遺贈は無効となってしまうことがあります。

無効となれば、その遺言がなかったものとして、相続人の間で遺産分割協議をしますので、遺言書を作成した意味がなくなってしまうかもしれません。
そういう場合に備えて、受遺者が自分より先に死亡した場合について、あらかじめ指示をしておくと安心です。補充遺贈といいます。

 

遺贈の放棄

遺贈する場合、あらかじめ受遺者となる予定の人と相談して決めておかなくても、遺言書としては有効です。しかし、受遺者としては、「そういうものは私は欲しくなかった。迷惑である。」ということもあり得ます。特定遺贈なら受遺者はいつでも遺贈の放棄ができます。(包括遺贈では異なります。)
放棄すれば、その財産は相続人の間で遺産分割協議によって決めます。

受け取る人とあらかじめ相談し契約しておくなら「死因贈与契約」があります。こういう制度はありますが、この制度を使うかどうかは慎重にお考えください。遺産の相続遺産分割協議でのトラブルの元になることもあります。

 

特定遺贈の注意点

特定遺贈で気をつけることはたくさんありますが、たとえば

  • 遺留分の規定がある
  • 負担付遺贈も可能
  • 不動産の所有権については、登記をしておかないと第三者に対抗できない

というようなことです。
「第三者に対抗」という言葉は法律ではよく使われます。簡単に言うと、当事者以外の人に反論・権利主張できないというような意味です。具体的なことで疑問があればご相談ください。

特定遺贈と包括遺贈では異なる点が多々ありますから、ご相談ください。